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パトラッシュといっしょ
 多分五つか六つの頃、自分より大きな犬が毎日庭に遊びにきてくれて、 とても嬉しくて背中に乗ったりして遊んだ記憶がある。実は今思い出すと凄い怖いんだけど、その犬は全身赤茶色の犬で、三角の耳が真横に出ていて、うる星やつらのラムちゃんみたいな 黄色い角が二本、頭から立てに生えていたのよ。その角に触るととても嬉しそうな顔するから、何回も撫でてあげた。勝手にパトラッシュって呼んでた。 何本あったかは忘れたけど、尻尾が一本じゃなかった。
 小学校にあがる頃には来なくなって、悲しくて毎日泣いてたんだけど、その事を父に言っても全然覚えてなくて、お前はいつも庭でよく一人で遊んでたって言う。そんで怖かったのは、中学生になった時。お婆ちゃんとその事について話したんだけど、私が空に浮いてはしゃいでる姿を何回も見たって言ってたのよ。なんかぞっとするけど、懐かしい話しでした。


* * *


 これは父の記憶で、私は全然覚えてないんだけど、父と話してたら、パトラッシュのこともっと出てきた。
 父の記憶だと保育園に入る前らしいから、3歳とか4歳で、私の記憶とちょっと違うみたい。ジュースを自分でコップに入れる時、何度言い聞かせても私は 二つコップを用意して、片方になみなみジュースをそそいで、少ない方が自分の分で、多い方がパトラッシュの分だって言いはって 父が目を離した一瞬の隙に多い方のジュースがなくなっていたことが3回くらいあったって。だから父はゾッとしながらもパトラッシュの事を半分信じてたんだって


* * *


 パトラッシュとの、とてもたわいのない会話をいくつか覚えてる。 私が「お外は暑いねえ」って言ったら、


パ「そうか」


私「うん。パトラッシュは毛がいっぱいで暑くないの?」


パ「暑くない」


私「ふーん、いいなあ」


私はお喋りな子供で、いつも一方的に私が話しかけて、パトラッシュは 時々テキトーに相づち打ってくれていた気がする。 パトラッシュの身体は触るといつもほんのり温かかった気がする。


* * *


 パトラッシュは今思えば、多分でかいシベリアンハスキーくらいの大きさだったかな。私が小さかったから大きく見えたのかもしれない。いつも昼寝が終わって庭に行くと縁側の下からのそのそ出てきた。庭というか、木が生えているところから来る時もあった。たくさんある尻尾を束ねて引っ張っても全然怒らなかったから、さんざん引っ張って 遊んだのは覚えてる。結んだりもした。
 一番やったのは、おもちゃのボールを転がすキャッチボール。 前足の片手でスッと受け止めて、そのまま転がしてくれた。 私が投げて弾ませても追っかけないで、のそっと歩いてあくまでも手で転がして返してくれた。 あと私が鼻にチューしても嫌がらなかった。 


* * *


 私のお母さんは、私が物心つくまえになくなっちゃったんだけど、そのことでやっぱり寂しい思いをしたこともあったわけ。いつだったか、私がパトラッシュに「どうして私のお母さんいないのかなあ」って聞いたら、


パ「さあな」


私「もう会えないのかな。会いたいなあ」


パ「そうか」


私「でも、私もいつか死んじゃうんだよね」


パ「そうだな」


私「そのときお母さんと会えるかなあ」


パ「きっとそうだろう」


私「ねえ、パトラッシュは私が死んじゃったらどうする?」


パ「いっしょにお母さんに会いに行ってやるから、天国の入り口あたりで少し待ってろ」


私「うん、待ってる」


 たぶんパトラッシュは、私を慰めてくれたんだと思う。あれからもう長い間パトラッシュと会ってないけど、きっとパトラッシュはこの約束を覚えていてくれてるんじゃないかな。
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【2006/03/23 03:22 】 | 発狂用 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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