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歪照
 母が死んでから、我が家は少しずつおかしくなった。


* * *


 最初におかしくなったのは姉だった。姉は高校二年生のとき強姦された。それ以来、精神的に不安定な状況を呈すようになり結局学校も中退した。最初は色々とアルバイトをしていたが続かず、家にこもりきりになるようになった。今は精神障害者として認定され、障害年金を受給している。


* * *


 次におかしくなったのは父だった。母の死により、元々あまりしゃべる人ではなかったがますますしゃべらなくなった。さらに娘が強姦され、その精神的・肉体的な外傷体験が父にも強い影響を与えたようだ。母が死んでから隣近所との往来はほぼ無くなったが、姉の強姦以来、父は外の世界に対して怖ろしいほどの敵意を持つようになっていた。その敵意は私に向けられることさえあった。私が姉に触れたり話しかけたりする度、父から怖ろしい顔で睨まれた。


* * *


 父と姉は一緒に眠るようになった。夜になるとたまに、父の荒い息遣いと、姉の押し殺した喘ぎ声が、隣の私の部屋に聞こえてくることがある。


* * *


 姉の嫌いなものは魚とタマネギで、魚の中でもキンギョに至っては文字を見るのも嫌だという。姉が家に閉じこもっていたとき、野良猫が鉢の中のキンギョを食べていた場面に遭遇し、キンギョ嫌いになったという。猫を嫌いになるなら判るけれど、どうしてキンギョを嫌いになるのかが私にはよく判らなかった。






つづく
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【2006/03/11 14:44 】 | 平四郎的日常録 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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