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ウィザードリィ日記 出会い編その1『目覚めればエルフ』
 とにかくまぶしい太陽は敵だし、網膜に直進する窓からの光線は悪だし、なぜならおれことエコーは穴倉に住み着く習性のドワーフであるのだし、目が覚めたときの朝日の種族の関わりなく降り注ぐその押し付けがましさが好きでない。そもそもがぐーたらなおれことエコーである。
 なので、敢然と太陽に立ち向うべく、シーツを捲り上げて二度寝を楽しもうとしたことは断じて責められるべきではないけれど、隣になにかいることに気がついたからには仕方ない。相棒のアホがまた寝ぼけて入り込みやがったな、と思うと、ぞっとしないし、それならば、このやろ、おれのサンクチュアリから出て行けと、蹴り落とさなければいけない。心の中で三秒数え、逃げるなら今のうちだぞ、と心の中で宣戦布告、これで大義はばっちりだ、と足を振り上げたときにやっとおれは気づいた。なぜか隣には、裸のエルフ女がいたのである。


女「むはー・・・zzz」


 エルフ女はもんのすごい酒臭いブレスをはきつつ、幸せそうに眠っている。息を嗅げばこちらまで酔いそうだ。その凶悪な攻撃に似合わず、エルフ女の顔立ちは整っているし、その金髪は男心をくすぐるかのように長くすべすべしており、エルフの象徴である耳は、普段はピンとそびえたっているのだろうが、寝ている今はなんとなくぐにゃりとしていて、これはこれでいい感じかもしれないし、少し触ってみたくなった。


 そういえば、昨夜酒場で・・・とおれが覚えているのはそこまでで、気づけば頭が痛いし、おれの息だって酒臭い。どうやらいつものことながら少し酒を飲みすぎたようだ。ガンガンなる頭を抑えつつ、誰が酒にアルコールを入れやがったと理不尽な怒りに駆られつつ、おぼろげに、昨夜のエルフ女とのあんなことやこんなことが思い出されたが、うむ、いけません、朝っぱらです。それにしてもあの腰のグラインドは・・・じゃなく、商売女にしては、スレてなさそうだし身持ちも堅そうだ。しかしその二の腕あたりは少し盛り上がっており、よく身体を見て見ればひきしまっているし、さらに治りかけた傷やらなんやらもちょいちょいあったりするので、もしかしたらおれたちと同じ冒険者なのかもしれない。


 とまあ悩んでも思考の渦に飲み込まれるだけ。いくら考えていてもしかたない。とりあえず行動して、それから考える戦略が一番であろうということで、とりあえず起こすことになる。相棒が相手なら首筋に剣をつきつけて礼儀正しく「朝ですよ」と言ったりする親切なおれだけれど、やはり一応初対面(?)であるのだし、なにやら事も済ませてしまっているから、肩を揺らすだけに留める。もちろんこれで起きなければ剣という手段もあるわけである。幸いなことにエルフ女は寝起きが良いらしい。すぐに、うめきつつも頭を抑えて身を起こした。


女「・・・うー、あったまいたい・・・あれ・・・あなた、だれだっけ・・・?」


 その質問はこちらからしたいくらいであり、結局答えはわからずじまい。行動はおこしたものの、また考えなければいけないはめになった。エルフ女は、メガネメガネと、ベットサイドのテーブルにおいてあるメガネをかけ、あたりを見回しつつ


女「・・・おーい、セブンスター・・・隠れてないで出ておいで・・・っていないのね・・・ひどいわ・・あたしを見ず知らずの男の側でひとりぼっちにさせて・・・いけないこ・・・」


 なんだか気になるセリフを聴いた気がしたが、とりあえず現在、現実的に必要なのは相手の情報であるので質問することにする。


エ「その子はあんたの相棒か何かか?」


女「うん、ちなみにあたしはピースっていうんだよ。あなたは?」


エ「エコー。で、あっちのソファに寝てるのがフロンティア。俺の相棒だ」


ピースはなぜかくすくす笑っている。


エ「ん、なんか面白かったか?」


ピ「いやいや、そのね、あたしらおかしなことしてるわよねっておもっちゃってね・・・いまさらベットの中でこんちわ、って自己紹介しちゃってるんだからさ」


エ「わはは・・・たしかにそうだな。あんまり色気もないわな。・・・ああ、なんとなく思い出してきた。昨日、あんたらと酒場で一緒に飲んだよな、そういえば。どうりで商売女っぽくないわけだ。金払わないですんだ」


ピ「うれしくないけどありがと。別に、満足してくれたならお金を払ってもらっちゃってもいいんだけどね、あはは。で、そうそう。酒場の看板さがっちゃって、部屋で飲みなおそうってことになって・・・それでくんずほずれつおまつりわっしょい・・・ってわけね。ああ、生活態度改めなきゃねえ・・・あの子、きっとこの宿のどっかに泊まってるわね。それとも見捨てられちゃったかしら、あはは。あとで主人に聞けばわかるわね」


むむむ、とフロンティアがおれらの話し声で目が覚めたようだ。やつはソファで大の字になって寝ていた。もちろん裸。見苦しいものがぶらりと朝日にひかっている。


フ「・・・おはよ。朝っぱらからピロートークとは羨ましいね。隣の美人さんは?」


エ「なんだ、お前も覚えてないのかよ。あと、おれがその見苦しいのを拝みたくなる前におしまいなさい」


フ「偶像崇拝はよくないなあ。それにあれだね。汝姦淫することなかれ、世が世ならダブルパンチで火刑だね」


ピ「うーん・・・昨日、あなたにもしてあげた覚えあるけどなあ」


エ「お互い気をつけないとなあ」


フ「わはは」


 フロンティアは笑ってごまかした。僧侶の中にはがちがちに童貞を通すやつもいるという。まあその分、リビドーは逆に猛り狂い、ナニをとち狂ったか同性に向けられがちという噂も聞く。その点、こいつは僧侶のくせして、肉は食うし酒は飲むし、男から襲われるのだけはまっぴらだが、さりとてこいつにだけは葬式をあげてもらいたくないものである。本人曰く「ああいうのは宗教の本質じゃないよ」とのこと、節制はなににでも必要でないかなと思うのだが。とまあ、自分が言うのも何であるが。



ピ「まあ、とにかくなにか食べましょ?運動の後は、お腹すくしね。それに喉も渇いたでしょ。酔い覚めの水、値千金なり、ってね。あたし、なにか頼んでくるわ。紅茶かコーヒーどっちがいい、くらいは聞いとくわよ」


エ「お、すまん。じゃあコーヒーを砂糖入りで」


フ「んー、ぼくは砂糖抜きで」


ピ「はいはい。そんかしお金はそっち持ちね。まあ身体の御代と思ってもらっても結構かな、うーん、お買い得だわ、あはは。じゃ、帰ってくるまでには服くらい着といてね。もしかして朝っぱらからドンパチやらかそうなんてつもりはないんでしょ?」


 おれは笑いながら肩をすくめ、散らばった服を探した。あんまりバラバラに散らばっていたので、なんだかジグソーパズルをしているような気になったが、ようやっと服を探し当てたピースは、あくびをしながら出て行った。


フ「おい、エコー。」


エ「なんだよ」


フ「さっきの質問なんだけど、あの美人は?」


エ「名前はピース。おれらみたいに、相棒が一人いるらしい。多分冒険者だろ。昨日の夜、おれらと酒場で飲んで、その後ここに来て、流れで下半身の世話してくれて、そして今飯を持ってきてくれる。いいやつみたいだな、変なのにひっかからなくてよかったよ」


フ「んー・・・」


エ「どうしたよ」


フ「ピース、ってどっかで聞いた気がするんだけどなあ・・・いかん、思いだせん」


フロンティアはそういって、腕を組んで考え始めた。下半身丸出しで。おれは何を投げつけようかしばらく悩んでいた。
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【2006/01/26 00:06 】 | ウィザードリィ日記 | コメント(1) | トラックバック(0) | page top↑
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コメント
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冒険物語の冒頭で穴兄弟とはなかなか意表をつくオープニングであります。ぜひともこのまま長編にしていただきたい。
by:檜山 | URL | #pKfLfqHU【2006/01/27 17:53】 [ 編集] | page top↑
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